水ビジネスに見せる東京都の本気の取り組み

東京の水道技術は非常に高い。水道がいかに効率的に水を利用しているかを表す漏水率。
つまり取水して送り出した水が蛇口を出るまでに自然に漏れ失われる水の割合である。
これが世界で最も低い3%前後のレベルとなっている。日本国内の自治体の中でも東京の漏水率は高い方であるが、日本の自治体では10%を超える自治体は殆どないといわれている。

この漏水率の低さは、各自治体が海外進出するために大きな武器となる。
特に東京都の低さは特筆すべきレベルにあるといえるものである。しかも抱えている給水人口は膨大なものである。この点に関しては完全に世界水準を抜いているといえる。

漏水率は先進国でも10%いけば優秀。途上国においては30%以上もざらに存在するというのが世界の水道事情である。
しかし民間手法の入っていない「水道局」の運営というものは高コストになりがちである。
民間のようなコスト意識の高さがないという点は否定できないであろう。

その点東京都では第三セクターとして水道事業を民営化しておいる。「東京水道サービス株式会社」がその会社である。
現在は東京の水道事業を行っているが、独自ノウハウの提供により他の自治体へのサービスも展開するとしている。当然、海外水ビジネス進出に際しては東京都にとって、キーストーンとなる企業である。

東京都では、このような組織の改変を進めながら海外企業との連携も進めている。
三菱商事、日揮、産業革新機構などと連携し、オーストラリアの水処理会社を買収するなどの積極的な動きも見せている。
更に、マレーシア市場に対してはピーター・チンエネルギー・環境技術・水相が9月に来日した際に、かなり積極的な営業攻勢を仕掛けている。

また2011年4月にはより官民の連携を進めるための「コンソーシアム形成支援プログラム」も計画され、東京都は、かなり本気で、海外水ビジネスへの進出を狙っている。
この動きは決して東京都の独走ということではなく、国との連携をとりつつ進める方向で考えられており、「海外水インフラPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)協議会」にも参加している。更に自治体間の連携を更に進めるために、東京都、大阪市、横浜市などを中心に水ビジネスに関する情報共有も進められている。

日本の首都として水ビジネスの分野でもリーダーシップを発揮すべく、今年の秋に日本で開催される予定の「アジア太平洋地域会議」においてもアジアの自治体間の連携と東京主導による水ビジネスの展開を狙っている。何より、千葉県の自治体が下水処理の委託先にヴェオリアを選んだときの会見で、東京知事は「フランスごとぎの企業にいい目をみさせない」という趣旨の発言をしており、首長自らが本気であるという点では間違いないことである。

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