高い技術力を背景に水ビジネスへ、名古屋市の取り組み

名古屋市も東京、大阪、横浜に続き、水道事業の民営化に乗り出した自治体である。
2010年12月には、同市が86%を出資し「名古屋上下水道総合サービス株式会社」を設立。この会社をコアとして地元企業と連携しつつ、途上国中心の海外水ビジネスへと取り組む構えである。

2011年3月には、豊田通商と提携し、スリランカのコロンボにおける未給水地域に対する生活用水供給の事業化の調査を行うこととなった。
これは名古屋市がシンガポールの水事業関連イベントに出展した微生物の分解作用による浄化技術を応用し、水道のない地域での浄水に取り組むものであり、実際のところ事業化以前の実証実験段階のものと思われる。
ただ、このように事業化の成功が不透明な事業であっても、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの業務委託契約案件であることで、名古屋市にとっても、豊田通商にとってもリスクの回避が可能となっている。

名古屋市は自治体の中でも、水道技術に関しては東京都と比肩するほど高い技術力をも持つ。
漏水率に関しては3%前後であり、独自工法としてパイプロール工法という工事ノウハウを持つ。
これは、御馴染みの道路を掘り返しての水道管工事というものをやらずに、水道管のメンテナンスができるという手法である。

東京、大阪、横浜といった他の大規模自治体に比べ、やや出遅れの感のあった名古屋市であったが、高い技術力を武器に、途上国を中心として水ビジネス市場への取り組みを開始している。

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